川名みさき<ONE〜輝く季節へ〜(Tactics)>
「夕焼け、きれい?」


(C)Tactics
折原浩平の先輩で3年生。
盲目であるが本人はそれを気にしておらず、相手にも普通に接して欲しいと願っている。
しかし今まで何度も特別扱いされていたため、浩平が普段と変わらない対応を見せてくれたことが嬉い。
だから自然の成り行きで浩平との時間は日増しに長くなり、いつしか彼のことを好きになっていった。
浩平も同じ気持ちであり、みさきに告白したのだが、当のみさきは盲目の自分が浩平の負担になるからと一度は断ってしまう。
だが浩平はどんなことがあっても自分の傍にいると聞かず、それを信じたみさきは彼をパートナーに選ぶのだった。
そして自分が行動できる学校以外の場所を浩平と歩いていこうと決心するのだが・・・。
浩平は突然永遠の世界に旅立ちみさきの前から姿を消してしまう。
打ちひしがれるみさき。それでも浩平がいつか帰ってくると信じて待ち続けた。
それから1年。本来3年生になっているはずの折原浩平。その彼は最初から居なかったかのように彼の学年の卒業式は行われた。
既に学校を卒業したみさきはそこに参列し、尚も浩平を待ち続ける。誰も浩平のことを覚えていないけど自分だけは、と・・・。
卒業式が終わり、挫けそうになりながらも想い出の場所である校舎の屋上へ足を運ぶみさき。
そしてその扉を開けた時、掛けられた声。
それは待ち望んだ折原浩平の声であった。
みさきの人生は今、この場所から心の光を取り戻す・・・。
好感度 10
忘れられない指数 10
萌え度  7
信者発生率  9
川名みさき<どっちかって言ったら>

 


独自調査と思い込みによる詳細

 概要 説明
容姿 黒髪、盲目、お嬢様風 日本的な美人ということ。見かけはお嬢様という代名詞はあまりに有名である。実際はたまらなく可愛いみさき先輩。大好きです先輩っ!!
性格 明るく柔らかい 盲目を感じさせないほどに本来の性格は明るいもの。故に盲目という事実に気付いた時の対応の変化が悲しかったのだろう。いつも通りに接してくれることをみさき先輩は望んでいるのだ。ならば・・・。
言動 行動範囲は家と学校の間のみ。 そこしか知らない。盲目の先輩にとってはその場所以外で景色を鮮明に思い出せる場所は、目が見えた頃に過ごした学校以外に無かった。
それでも明るく振舞う先輩は強い人。しかしそれは逆に言えば逃げているということ。それは先輩も分かっているからこそ、その行動範囲を広げたいと思っているのだ。浩平はその手助けをしたい思う。強い先輩のため。なにより大好きなみさき先輩だから。浩平がしなくても「俺に任せてくれ」と言った人間はどれだけ多かったことだろうう・・・。
好きなこと 読書、運動 図書館にて本を借りる。でも返却期限遅延の常習者。そんなおちゃめな先輩は走り回るのが好きらしい。浩平曰く、「イメージ出来ない。でもその体操服姿を見てみたいぜ」。・・・まさにその通り。
特技 大食い カツカレー3人前が軽目らしい・・・。
そして何故か全く太らないらしい

私的分析



ホワイトアルバムをプレイしたことがある。

そこには澤倉美咲先輩という人が居たわけで、素敵な美咲先輩とか言っていた気がする・・・。
でも同時に周囲から「世間知らずめ」などと虐げられた気もする。
その時は「何がいけないの?」と疑問に思ったが、それからしばらくしてONEに出会い、即座に納得した次第だ。

つまり、先輩と言えば川名みさき。
みさきと言えば川名みさき。
なるほど、皆が口を揃えて言うのは良く分かる。

みさき先輩を超える先輩が果たしてこれから登場するだろうか・・・。
と、遅まきながらも気付いたのだった。


空寒い校舎の屋上。
その孤独な空気を一変させるように、折原浩平にかけられた声。

「夕焼け、きれい?」


その出会いはまさに衝撃だった。

この時浩平は答えたものだ。
「65点くらいかな」、と。

しかし、そのみさき先輩の笑顔を見て、誰もが無意識に心の声を付け加えたに違いない。
「でも、みさき先輩は100点満点デス・・・」

つまり、これが川名みさき先輩という人。
それほどまでに、この人の笑顔はどこまでも暖かかく、柔らかく、そして優しかったのだ。
同時に綺麗で、可愛かったのだ。
無視出来るはずが無い。
そしてその身を捧げようとする狂信者の発生も、至極当然なのであった。
とにかく「やられた」とだけ言っておこう。


そんなみさき先輩は上級生。
見かけはおしとやか、お嬢様である。

しかし話してみれば分かる、みさき先輩の本性。
決して気取らず、またその気も無いみさき先輩。全てが心の底から好ましい・・・。
そして触れてみれば分かる、みさき先輩の可愛さ。
すねる様、怒る様、ねだる様。全てがたまらないほどに可愛らしい・・・。
等身大の川名みさき先輩とは、ごく普通の
可愛い年上の女性だった。

しかし、何故か学校ではそれを知らない人間が多い。
ほんの少し言葉を交わしただけで分かる彼女の人と為。
そしてこれほどまでに
明るく人懐っこい先輩。
取り巻きが出来ても不思議ではないはずなのに・・・。

しかしそれも止む無しこと。
みさき先輩には
目が見えないという事実があった。
盲目というハンデを背負っていた。
その瞳には光を称えることなく、常に一面の闇の中で生きる過酷さを纏っていたのだ。

だから誰もが対応に戸惑い
遠ざける。遠慮して遠ざかる
浩平は言った。
「目の不自由な人とどう接していいか分からない」、と。
多分それは、大半の人が抱く認識だろう。
世界に優しい人は多いけれど、逆にその優しさ故に
気遣いの意味を誤認することがある。

気遣い・・・。
それは不自由な人に対して特別に、傷つけないようにと取り計らった末の選択かもしれない。
しかし同時に考えるべきかもしれない。
その気遣いは相手によって変わるものだという当たり前に・・・。

そして今、目の前に居るみさき先輩を見るが良い。
彼女は
悲しんでいるではないか。
あの鮮やかな微笑みは消え去り、今までに無いほどに落ち込んでいるではないか。


人は、
相対する人間によってその対応を変えるもの。
相手は特別を要求するかもしれない。
自分は相手によって特別を与えることがあるかもしれない。
それも良い。
それも優しさの一つ。
だけどもし、その相対した人が特別を拒むなら、
それによって悲しみを称えるのなら、
その時は自分の過ちに気付かねばならないだろう。
誰もが特別を望んでいるわけではないということに・・・。

川名みさきという個人にとってその特別は
優しさではなく、心の距離でしかなかった。

目の見えないのは状況の一つであって、何も川名みさきという女の子が変わるわけでもない。
この一つ年上の先輩にとって、その気遣いこそが最も傷付く対応で、それによって作られた壁こそが最も悲しい。
みさきはそう思うからこそただ、こう言う。

「普通でいいと思うよ・・・」

それが、先輩の本心。
そして先輩の強さ。

相手の気持ちも理解して、それでもなお特別でなくて良いと言った先輩。
普通であること。自然であること。それが何より大切だと、
みさき先輩は教えてくれた。
だからそれを教えてくれたみさき先輩に感謝の言葉を言いたい。
「ありがとう」と。
そして謝罪の言葉を使いたい。
「ごめんな」と。

素直に思ったことを口にして、お互いを理解して。
こうやって人は成長していく・・・。

そして
みさき先輩は何処まで行ってもみさき先輩であった。


こうして浩平は川名みさきという芯の強い女の子と普通に接することが出来る人間となる。
浩平とみさきにとってはそれは普通であったろう。
だが、みさきの心の出来事の中では多分特別だったに違いない。

ハンデを背負った人間に対して普通に接することの出来ること。
普通で良いという言葉に素直に応えることが出来た浩平という人間は、辛い道を歩んできたみさきにとって決して何回も出会える存在ではなかったに違いないのだ。

それは
普通であるが故の特別
ただ学校の先輩と後輩として向き合えること。
その当たり前を実行できたこと。
盲目というハンデも関係なく実行できたことに、特別があったのかもしれない。

だからこの出会いは
みさきにとって一つの奇跡である。
みさき先輩がいて、無限に存在するであろう出会いの中から偶然浩平が彼女の元に行き着いたことが、ただ嬉しかった・・・。

そして、その偶然から始まった小さな絆を絶やすことなく、少しずつ暖めていけたことも奇跡。

二人だけのクリスマス。
二人だけの卒業式。

独りで佇むみさきが心の中で浩平を求めていた時、いつでも浩平はそこにいて、触れてくれていた。
そして誓ってくれた。
「ずっとみさき先輩の傍にいる」、と・・・。

みさきは今までの中で一番嬉しかったと思う。
望んだ人がそばに居てくれると言ったことにただ、涙したと思う・・・。

しかし、同時に悲しかった。
自分のハンデを好きな人に背負わせるということは、その人の人生の重荷になるということだから・・・。
そう言ってみさきはただ、拒絶する。

だが、この時初めて浩平は彼女に対して怒りをあらわにした。
いつしかみさき先輩が浩平に言ったではないか?
ハンデのことを頭に入れないで欲しい、いつもどおりで居て欲しいと・・・。
みさきは浩平に対して「いつもどおり」を望み、浩平はそれに応えたのに、逆がダメなどとは言わせない。
相手には普通にせよと釘を刺しておきながら、いざ自分のことになったらそうでないと、そう言うのか、と・・・。

これにはみさきも一本取られただろう。
いつの間にか自分から線を引いてしまっていた事実を指摘してくれたことに。
そして浩平に感謝したことだろう。
その線を取り払うという約束を守り続け、敢えて自分を叱ってくれた浩平に。

だからそんな浩平と出会えたことに再度感謝しつつ、みさきは彼に全てを委ねることを決意した。
全てを信じることが出来る相手
それは、多分かけがえのないものだから・・・。

そして、この時より川名みさきに吹く風が変わる。


全て話して、全てを受け止めてもらおうと誓う。
今、目の前に居る人は信じ切ることが出来る相手だと確信しているから。
自分がそう望んだから、と・・・。


その決意を秘めた彼女が語ったこと。
それは、盲目になった過去と、学校という空間についてであった・・・。

まだ目に光が宿っていた頃、小学生の頃。
その時からみさきはこの学校へ何度となく忍び込んだ。それは愛すべき場所。
だが、その愛すべき学校の中で失明した。自分の過ちによって。
みさきにとっては希望と
絶望を同時に抱いた場所でもある空間が、つまり学校。
だけどそこだけが、唯一鮮明に景色を思い出せる場所であるから。そう言って学校以外の場所に出ることを拒み続けた。
自分の居場所はこの空間にしかないのだから・・・。

これが、みさきの告白である。


多分、その恐怖は目が見えない者にしか分からない。
それでも浩平は試してみた。
光の一切差さない図書館の中で、数分だけだがその気持ちを垣間見た。
光が無いと言う事は、これほどまでに恐怖を生むものか、と。
そしてその先にあるのは絶望であり、絶望の後には死しかない。
そう確信するに充分だ・・・。


だが、みさき先輩は今、ここに居る。
一時は浩平の予想と同じく絶望し、死を考えたけど、
それでもその恐怖に打ち勝ち、今この場所で浩平の傍にいる。


「星空、きれい?」



そう言って微笑んだ先輩の、何と強く、穏やかだったことか。
ほんの数分擬似盲目を試み、暗闇の恐怖を味わった浩平は、今更ながらこの先輩の強さを実感する。

みさき先輩は紛れもなく、誰よりも苦しみ、悲しんで、
それでも
誰よりも強くなれた明るくなれた人なのだと。
そしてだからこそ、
誰よりもいとおしい人なのだ、と。

そんな先輩に出会えたことに好きになれたことにもう一度、
「ありがとう」。

そしてみさき先輩も浩平に、
「ありがとう」。


絶望を克服して生きていたからこそ、今、この風を感じることが出来る。
生きてここに居るからこそ浩平と出会えた。浩平と共に歩くことが出来る。
だからみさきも浩平に感謝している。

浩平とみさき。
お互い口に出るのは感謝の言葉ばかり。
何度「ありがとう」と言ったことだろう。
でも強く優しい二人だから、互いの気持ちは同じだから、それ以外に言葉は出てこない・・・。
だから何度でも感謝したい。
この出会いに。
この奇跡に・・・。

川名みさきの心の霧はすでに取り払われていた。



学校以外の場所。
商店街も、公園も、どこだって・・・。
世界の風はこんなにも気持ちがいいものだ、とみさきは一身にその風を感じている。
今ならそれがわかるから。
浩平がそれを教えてくれたから、と・・・。


言って振り向くみさき先輩の笑顔がただ、眩しい。
そして同時に、

その眩しさはみさき先輩の心の眩しさ



彼女は今、誰よりも幸せの中に・・・。




しかし、その幸せに水を差すものが、あと一つ。
みさきの心を介抱してくれた折原浩平という少年。
今度は彼に異変が起こっていたのである。

それは
永遠の世界という盟約であり、浩平はそこから逃れることが出来ない。
幸せだからこそ、続くと思ってなかったほどに幸せだったからこそ、突然に起こってしまう。

傍にいると誓ったみさきを置き去りに、
浩平を信じてくれたみさきを裏切るように、


浩平は、この世界から姿を消した・・・。



声をかけるみさき先輩に応える人は、もういない。




「冗談、だよね・・・・」



信じたのに、委ねたのに、
それをあざ笑うかのように突然消えた。

この光景が、
余りにも痛すぎる・・・。
余りにもむごすぎる・・・。

この折原浩平という男が、
余りにも憎すぎる・・・。


みさきは絶望の淵に立たされたことだろう。
こんな場面で裏切られて、何も見えない場所で、ただ泣いただろう。


だけど、みさきは浩平の言葉を忘れない。
「信じていい?」と聞いたみさきに、確かに浩平は頷いたのだ。

だから誰もが浩平の存在を忘れてしまっていても、
自分だけは信じなければならない。
何よりみさき自身が浩平を信じたい・・・。

それが出来るのは自分以外には居ないから、と。
みさきはただ待ち続けるのであった。
浩平が教えてくれた強さを忘れずにずっと・・・。



それでもやはり、浩平が居ないのはあまりに寂しい・・・。
強さは忘れていないけど、
好きな人が居ない
ただその事実だけが辛い・・・。

そう思い続けてただ待ち続ける哀れな女性、川名みさき。
だけど覚えていてくれる人が居るのなら、
帰って来る理由が場所があるのなら、
きっと浩平は帰ってくるはず。
彼の帰る場所が川名みさきという女性の元以外にありえないのなら、その川名みさきが忘れない限りいつかきっと帰って来てくれる。。

それは見ていてとても辛い。
だけどそんな一心な先輩だから、きっと最後は望んだ形になるだろう。

そんな想いが届いた時。
二人で挙げた卒業式からちょうど一年後・・・。

浩平は帰ってきた。
現実世界に。
なによりみさきの元に・・・。


一年も待たせて、それでもいつもどおりに振舞う浩平。
でもそれはみさきが愛した浩平そのままで・・・。
彼はただ一言つぶやいただけ。
「ゴメンな」、と・・・。


「ゴメンじゃないよ」
そうは言ってもみさきの涙は止まらない。
誤ってすむはずは無いのに、これだけ待たせたくせに・・・。
それでも今、浩平がそこに居るという事実だけがみさきの全て。

だからただ、浩平の胸に飛び込む。
帰ってきてくれたのだ、と・・・。

そして浩平には何より言いたい言葉があった。
恐らくはみさきの知らない何かと闘ってきたであろう浩平が、その闘いから解き放たれたことに祝辞を送りたい。

それはかつて浩平がみさきを解き放ってくれた言葉。
だから同じように、何かから解き放たれた浩平に対して、


「卒業、おめでとう」


学校からの卒業。
弱い自分からの卒業。
それは
闘った末に勝ち取った証

そして今、その証を胸に、新しい世界へと飛び立った二人が歩む道がある・・・。


その道こそが即ち、
輝く季節・・・



かつて見た夕焼け、星空、
今はただ、二人を暖かく照らす 青空がきれい。
これがつまり、世界に生きているということなのだ。



その空の風景は瞳に写ることがないけれど、
傍に信じる人がいるから、共に感じることが出来るから・・・。

だから見えなくてもいい。
それだけで、幸せ。
浩平と歩む
みさき先輩の心はいつでも青空なのだから・・・。






そんなみさき先輩に口出しすることなどもはや何も無いが・・・。
それでも敢えて願いたい。










いつの日か、この可愛い先輩の瞳に光が戻りますように・・・