小暮健太<遺作(elf)>

逆境において輝く凡人

桜欄学園3年生。
片想いの女生徒・琴未から一通の手紙を受け取り、旧校舎5Fの音楽室へ出向いた。
しかしそれは遺作による罠であり、気付いた時には既に遅し。旧校舎に閉じ込められる羽目に陥った・・・。
「何とか抜け出さなければならない・・・」
同じく遺作に謀られた8人と共に、脱出するべく旧校舎を練り歩く健太であった・・・。
遺作の罠に嵌れば終わり。仲間が遺作の手に掛かっても終わり。
そんな鬼気迫る状況の中、健太はこの悪夢に終止符を打つべく、持てる知恵を振り絞る。

好感度  7
忘れられない指数  5
燃え度  5
弟子入り志願発生率  3
 

 小暮健太<どっちかって言ったら>


独自調査と思い込みによる詳細

 概要 説明
容姿 普通? 一学生なので目立ったところは無い。しかしそこそこイケる陣八や宗光を連れとしている限り、彼らと対等の容姿は持ち合わせていると考えて良いかもしれない。
性格 明るく、内に篭ることの無い行動派。 学園生活では琴未の尻を追いかける健太。明るく、しかし密やかに・・・。
しかし火急の事態に陥れば、謎を追いかけ突破口を開く健太に変身。きびきびと、内に秘める不安を皆に見せることなく・・・。
言動 率先して遺作の策略に立ち向かう 誰も頼りにならないから、自分が行くしかない。
健太の内なる才能が目覚めた時・・・。
趣味 一般学生と同じく、勉強に悩まされ、本心では遊びたい年頃。
特技 謎解き 「そんなの分かるか」と言いたくなる程に優しくない遺作のトラップ。それを悉く看破する健太に、金田一少年も真っ青・・・。

健太語録

小暮健太とは?

彼は、臭作以上の鬼畜ぶりを全開させる悪党・遺作に対抗できる唯一の男だが・・・。

何故、今頃になって健太なのか?
それは、彼が不況漂うこの世の中に必要な人間だからである。

そんな小暮健太・・・。
最初はただの一学生。
その能力の片鱗を垣間見せたのは、ある一通の手紙からだった・・・。



■何事も疑ってかかれ
日常をつつがなく過ごす健太。
少年らしく連れの陣八とつるみ、憧れの琴未に密かな想いを寄せ、青春を謳歌していた。
この時点で、彼は未だ一学生の域を出ていない・・・。

その健太が受け取った手紙。片想いの琴未から来たという手紙。
「好きです。旧校舎で待ってます・・・」
その内容に淡い期待を込め、胸躍らせる健太なのだが・・・。

彼はこの時点で気付くべきだったのだろう。
何故、誰も近付かない危険な旧校舎なのか?
何故、ワープロ打ちの味気ない文章なのか?
それ以前に、差出人は本当に琴未なのか?
琴未だとすれば、何故こんな不可解なことをするのか?

疑う要素は多数存在する。
叩けばいくらでも埃が出る。
この手紙とは、それほどに不鮮明で疑わしかったはずのだ。

何事にもまず、疑ってかからなければならない
直ぐに受け入れず、一度冷静になる必要がある。

そして、冷静になったところで埃を見つけようと試みるなければならない。
簡単に見つからなくても、必ず存在するであろう埃を見逃すまいと、敢えて叩き続けなければならないのだ。

叩き出した後その埃を元に、物事が発生した理由を洞察し、背景に思いを巡らせ、
そしてもし予測が立ったとしても、他の理由、他の背景にも着目しなければならない。
的を絞り過ぎることはこの上なく危険であるし、
真実を知らないからには可能性は絶えず複数であると考えるべきなのだから・・・。

だからこそ一つの思考に囚われた時、もはや正常では在り得ないことを認識するべきだったろう。
疑うという思考作用は、決して忘れてはならないステップである・・・。

しかし、健太は迂闊にもそれを怠った。
ステップを素通りして一気にゴールまで辿り着いた。自分の思い込みのみによって・・・。

健太は片想いの娘からのラブレターという最も希望的な、しかし最も希薄な可能性を盲信してしまった。
結果精神は浮かれ、その他一切の思考を閉ざしてしまった。
つまり、相手にまんまと踊られたのである・・・。

踊らされた挙句にもたらされる結果とは、必ず本人の希望を裏切るもの。
案の定、健太は見事なまでに遺作の罠に引っ掛かり、その浅慮に対する報いを受ける。
浅はかさは、時に自分を不幸に陥れるのだった・・・。



■動かなければ拓けず、動いてこそ拓く。
しかし、時に浅はかさが功を奏すこともある。
時に、愚かさが人を成長させることがある・・・。
もし後悔を糧に出来るのなら、過ちが人間にとって不必要なものとは必ずしも言えないだろう。

遺作の謀略によって旧校舎に誘い込まれた健太。
だが彼と同時に琴未や陣八その他大勢の人間もまた、狡猾な遺作におびき寄せられていた・・・。

その数、総勢8人。
健太を合わせると、9人・・・。

揃いも揃ってあっさりと騙された人達・・・。
結局この中の誰一人として遺作の策謀を見抜く事が出来なかったわけだ。


雁首ならべる愚か者達は、ただ不安におののく

全く以って救えない人達であった・・・。

まあ、のこのこ旧校舎に出向く軽率さも救えないのだが、
それよりも救えないのは、そこから動こうとしなかったこと。
不安と罵声を口にするだけで、打開策を講じようとしなかったことだろう。
叫ぶだけで事態が好転するはずもないのに・・・。


しかし、健太は動く。
済んでしまったことは仕方ないから、
言ったところで何も始まらないからと、

情けない面々を引っ張り出口を見つける為、行動を開始する。

ここに、健太の隠されたリーダーシップと
逆境における逞しさが顔を見せ始める。
遺作に誘導されることが無ければ、その才能は埋もれたままだったのかもしれない。
だからこそ、時には逆境も必要に違いなかった・・・。

逆境は人を強くする。
後悔は前に進む糧となる。
その実践者がつまり、小暮健太・・・。

しかし逆境に圧し潰される人間もいるわけで、後悔するだけで終わる人間もいる。
それが残り8人の皆さん。

だからこそ、健太は主人公。
そして他の8人は雑魚と成り果てる。

皆の視線は健太に集中し、
勇者である彼に誰もが期待を寄せてしまう。

どちらがより逞しいか、もはや言うまでも無かろう。
雁首並べて間抜けぶりを発揮した彼らに残された希望、つまり「脱出」。
その希望を受け止める事が出来るのも、捜すことが出来るのも、逆境に強い健太以外にあり得なかったのだ・・・。

結局この状況下で行動できた健太にのみ、光る魅力を見出すことが出来た・・・。



■勇気と無謀は異なるもの・・・
状況を打破するために動いた健太だが、それに連られる様に他の人間もようやく動き始める。
先生も、友人である宗光なども、部屋を出て脱出の手がかりを捜そうとする。
だが・・・、

動けば良いというものでもない
何も考えずに起こす行動は、ただの猛進。
自らを危険に晒すばかりか、他人の足を引っ張る要素も内包している危ういものである。
健太以外の人間は、そこに思いを寄せるべきだった・・・。

そもそも遺作が罠を張っている以上、唯では済まない。奴が済ますはずが無い。
捕まれば台無し。一巻の終わりである。
如何に遺作の
企みを回避しつつ、この異常事態を切り抜けるか。それこそが大事であろう。

それを分かっているから、健太は慎重に行動しようとする。
早く旧校舎を抜け出したい
衝動を抑え込み、目先の欲求に捉われることなく・・・。
早期脱出よりも、遺作の
策略を回避することを優先
何より
全員無事に旧校舎から出ることを第一に考えていた。

しかし、もはや脱出の2文字しか頭に無いその他の面々。
頭に血が上り冷静さを欠いている彼らは、まさしく遺作の術中であった・・・。

それをなだめ、統制する健太の苦労が伺えるだろう。
それと同時に、彼に括目すべきである。
臆病とは程遠い健太の慎重さに。前進一辺倒でなく時には後退も辞さない健太の判断力に・・・。

大切なのは、いかに早く脱出するかでなく、
如何に安全に脱出するか。
ここに、勇気と猪突猛進の区分けが為された・・・。

勇気と冷静さと知力。
その片鱗を遺憾なく発揮させる健太が、ただ熱い・・・。



■制限化された現状でも全力を・・・
ただ、いくら勇気を搾り出し知力を振り絞ったからと言って、現状が好転する保証は無い。
如何に健太が切れる男とはいえ、何も無い所から希望へ到達することは出来ない。
所詮、無から有への到達は不可能である・・・。

しかし、完全な無など在り得ないのもまた確か。
どこかに有へと辿り着く道が隠されているのが道理。
要は、それを見つけることが出来るか否か?気付くか否か?
違いとはただ、そこにしかない・・・。

そして健太は気付いた男。
例えその場所がガラクタだらけの理科実験室であろうと、汚らしい便所だとしても、健太にからすれば手がかりの宝庫。
例え手に持つアイテムが変哲も無いドライバーであろうと、しわくちゃの紙切れだろうと、健太にとっては解へ辿り着く糸口。

僅かな変化も見逃さない。
そこに意味を見つけ出し、キーワードを手繰り寄せ、答えに到達する。
例えそれが遺作によって備えられた材料だとしても、それを利用する以外に道が無いのなら、
敢えて可能性のある道を選ぶ。

誰もが見過ごしても、自分は見過ごさない。
誰が気付かなくても、自分は気付く。

今、自分に置かれた状況と与えられた立場の中で必死に足掻こうとする健太。
現状にて可能なだけの体力と知力を最大限に振り絞った健太だからこそ、到達出来る道があった。
そんな人間には必ず
チャンスが訪れるもの・・・。

そしてそのチャンスを手に入れる資格を有しているのは、健太だけなのである。



■窮鼠だからこそ反撃
チャンスを手に入れた健太。
しかし、彼はそれだけでは終わらない・・・。

遺作によって巧妙に仕掛けられた罠の数々。
しかし健太はそれを逆手に取り、こともあろうか遺作に対して罠を張り始めたのだ。

そもそも、今回健太達が陥った事態は全て遺作の陰謀によるもの。
気に食わない人間達に対する復讐と、あとは欲望のはけ口。それが発端である。
しかしそれだけでは興が無いと、遺作は狩りと称してゲームの要素を盛り込んでしまった。

それは、遺作の
遊び心・・・。
しかし同時に遺作の怠慢、
心の隙でもある。

完全を期すならば、決して一つの隙も見せてはならない。
もしその隙に気付き、利用する者が出てきたらどうするのか? その可能性を慎重に吟味しなければならない。
しかし遺作は用心深さを忘れ、心に緩みを与えてしまう。
そして・・・、

見事に健太に付け込まれた。


逆に言えば、健太はその遺作の心の
隙を見逃さなかった
これこそが健太の真骨頂に違いない・・・。

数々の罠を潜り抜け、遺作のクエスチョンをことごとく打ち破った健太。
もはやその時点で遺作は健太の敵ではなく、今度は遺作が健太の手の平で踊る番である。
牙を剥いた健太を止めることなどもはや出来ない遺作は、結局墓穴を掘り、あえない最期を迎える・・・。

結局の所、健太は遺作の罠に気付き、その意図を洞察するだけに止まらず、その
先を展開できる男だった。
火の粉を振り払うだけでなく、それを活かす術を知っていたのだ。

虎視眈々と反撃のチャンスを、相手を上回る戦略を。
決してやられたままでは終わらない・・・。
まさに、今の世に必要とされる資質では無いか。


そんな素敵な健太。
もはや彼に対して言うことは何も無い。
結局彼は鬼畜・遺作より一枚も二枚も上手の鬼才だったのだ・・・。


だが、この事件が無ければその鬼才も開花されなかったのかもしれない・・・。
だからこそ、
不測な事態や身の危険、即ち追い詰められること、自分を追い込むことは、
人が成長する為に必要な要素と言えるのではないか?

その答えは、健太に訊くが良い・・・。




■詰めが良いから全てが良し
見事脱出を成し遂げた健太。
当然その詰めも甘くない・・。

ここまで出来る健太だから、周囲の眼も変わり、待遇も変わっている。
旧校舎へ入る前とは一味違う、健太に向けられた信頼と羨望の眼差し。
それが彼の成長を物語っていた・・・。


ついでに恋人というオマケ付きで、しっかりとハッピーエンドを迎える事が出来るのである。



そんな健太の心が言っている。




挫けない限り、

そこに終わりは無い。

諦めなければ、

望んだものに近付ける。


そしてそれが手に入るまでは、今持てる力を余すところ無く・・・。






全てが終わった後、共に苦境を切り抜けた仲間の元へ駆け寄れば・・・、




「健太!!」

「健太君!!」


「ありがとう健太君!!」




そこには信頼の眼差しと、感謝の声が。
そして、大好きな人の微笑が彼を迎えてくれるのであった・・・。







おめでとう健太君。
君は、凄かったよ・・・・・。