ノエル・エーアリヒカイト<とらあんぐるハート3(JANIS/ivory)>
機械にだって心はあるんだ


(C)JANIS/ivory
自動人形。
忍に拾われ修復されてからは、月村家のメイドとして常に忍に付き従っている。
感情を余り見せない忍を気遣いながら彼女を最優先で守り、恭也という好きな人を見つけた時は素直に喜ぶノエルであった・・・。
そんな中、忍の親戚「安次郎」がノエルを手に入れるため、屋敷を襲う。
彼に引き連れられた自動人形の最終形態「イレイン」は強敵で、忍達はピンチに陥った。
忍を守るため、ノエルは自らの身を犠牲にしてイレインを討ち倒したが、彼女もまたその起動が停止してしまうのだった。
涙に暮れる忍と、いつか目覚めてくれると信じる恭也を残して・・・。

数年後・・・。
その願いが届いたのか、ノエルは目醒め、恭也と結婚して子供に囲まれる忍の下へ還ってくる。
最後まで月村家に尽くすために・・・。



好感度  6
忘れられない指数  7
萌え度  2
信者発生率  3


ノエル<どっちかって言ったら>

 


独自調査と思い込みによる詳細

 概要 説明
容姿 西洋系美人の上、その肢体もパーフェクト 美貌の上に貴族的な気品を漂わす彼女に、並の男は圧倒されて近付くことすら適わない。
性格 忍の命令に徹頭徹尾服従 感情の起伏はこの上なく乏しい。しかし真の彼女は優しさと労りの溢れるメイド。なぜなら・・・、彼女は忍の愛で出来ているから。
言動 忍の送迎、護衛、身の回りの世話 しかし残念かな。忍はどちらかと言えば、ノエルが居ないところで襲われる。だからせめてそれ以外は忍の満足行くよう努めるのだ。望みとあらば、持ち前の指技と舌技を以って、忍の火照った身体を慰めるのであった・・・。
好きなもの 忍お嬢様 忍に拾われ、忍に直され、忍に作られた。ビス一本まで忍の愛で出来ているとノエルは言い切る。
特技 戦闘 忍に危害を加える者は最優先で排除。トドメは忍仕様のカートリッジ×5・フルロードバースト、別名「ロケットパンチ」でチリも残さず葬り去る・・・。

私的分析


月村忍に常に付き従う影、ノエル・エーアリヒカイト。

彼女は自動人形、オートマータ。つまり、ロボット。
人間の心を持たないノエルはいつでも平静と、淡々と、
しかし与えられた命令は忠実に、正確に・・・。

そんなノエルはやはり機械である。

美人だけに、惜しい・・・。



しかし間違うなかれ。
ノエルは決して冷たいわけではなく、無駄な感情を表さないだけ。
実はそれほど冷たくなく、むしろ暖かいと言えるだろう。
それはノエルの行動を見れば良く分かる。

そんなノエルは月村家のメイドさん。
メイドであること、メイド服を着ることに誇りを見出すノエルさんは、何処か輝きさえ感じられよう。
そして忍や恭也だけでなく、ネコにまで至れり尽くせりの奉仕と待遇。
「ネコさん」と言って話しかけるノエルのお茶目さに、誰もが微笑んでしまうに違いない。

機械であるノエル。
人で無いけれど、
人らしい暖かさを感じた。
あまり笑うことがないけれど、その心からはいつも満面の笑顔が伺えた。

それは多分、
忍と共にあったから
いつも忍の傍にいて、その度に忍の愛を感じていたからこそ、ノエルは人と同じように笑うことが出来るのだ。

確かにノエルは機械には違いないけれど・・・、


愛を込めて作られた機械には、愛が芽生える。
愛を知る人間に育てられた機械は、愛の意味を知る。


ノエルはそれを知っていた。
忍がそれを教えてくれた。

忍が愛してくれるからこそ、自分は生きる意味を見出しているということ、
忍が居てくれるから、自分は今こに居るのだと・・・。


だからノエルは自分を誇りに思う。
考えることの出来る自分を、忍の為に尽くす自分を・・。

そして同時に、忍を誇りに思う。
自分を拾ってくれた恩人だから、
自分を育ててくれた主人だから、
だがそれ以上に、
忍を愛しているからこそ・・・。


だから常に忍を庇い、守り、慰め、支える。
誰も支えてくれる人がいなくても、自分だけはお嬢様の傍にいます。と・・・。


それは、声無き声・・・。
口に出すことは無いけれど、ノエルの使命であり望みでもあった。

そして、それは忍も分かっている。
感情を揺らすことは無いけれど、それでも忍はノエルの愛を充分に感じている。

そんな忍の感謝の気持ちがまたノエルに伝わり、肌で感じ、彼女の
機械の心は益々人間らしく・・・。
あの時から二人は、言葉では表せない愛と信頼で結ばれているのだ。

決して忘れることはない、昔の約束。
両親を失った忍が涙を流すことなく、
それでも「ずっといっしょに居て」と自分に言ってくれた遠い日。

愛を知らない少女に必要とされたあの日、
あの時の誓いを、


ノエルは決して忘れない・・・


それはノエルの愛が始まった瞬間でもあるのだから・・・。




だからこそ、ノエルは忍の傍を離れない。
金などでは買えないオートマータ。
愛について考えるオートマータ。
それは、ノエル以外に為しえないこと。
そして、それは忍と共にあってこそ感じられること・・・。

もっと愛を感じて居たい。
忍と共に・・・


そして出来得るなら、
凍ってしまった忍の笑顔と、忘れてしまった涙を取り戻したい。
忍に人並みの感情を、人並みの幸せを与えたい。
それこそが、ノエルが自分だけで辿り着いた
真の願いだった・・・。


そんなノエルの願いが通じたのか、恭也が現われてから、少しずつ忍に変化が訪れる。
彼と出会ってからというもの、彼女はよく笑うようになった。
忍はついに笑顔を取り戻したのだと、ノエルは安堵するのであった・・・。

それでも忍は未だに涙を流さない。
両親の死にさえ微動だにしない彼女は、いつの日か人の為に泣くことが出来るのだろうか?

でも、恭也と共にいれば何とかなるかも知れない。
初めて感じた「好き」と言う感情を得た忍ならば、いつしか全ての感情を取り戻すことも出来るだろう。
だから、それまでは忍の貴重な笑顔を守って行きたい。

人の為に泣くことが出来れば、きっと忍は幸せになれるのだから。
それは、機械の自分には決して出来ないことだから・・・。

だから恭也に後は任せて、自分は影で見守るだけ。
これまでと同じく忍を、恭也を、
自分が愛して止まない、この暖かいひと達を・・・。

ノエルの本当の願いとは、そこにあったのかもしれなかった・・・。



しかし、そんな幸せな日常を壊す輩がいた。
安次郎、そして自分と同じオートマータのイレインは、忍の感情に揺さぶりをかける。
ノエルはただ、忍を守ることに専念するしかないのだが・・・。

自分の愛する忍は、そんな時でも優しさを見せていた。
忍は自分達の敵である安次郎をたしなめ、起動したばかりのイレインを気遣っていた・・・。

だからこそ、ノエルは忍がいとおしい。
そんな忍だからこそ、ノエルは忍を好きになったのだ。

そしてだからこそ、命を賭して守らなければならない。
忍を守るのが自分の使命であり、誓い。
何より自分が守りたいと思っているから、自分の命を賭けることが出来る。

多分二度と忍に会えることが無いと分かっているけれど、
ノエルは忍の為に、敢えて笑顔で別れを告げた・・・。



自分は泣くことが出来ないけど、それでも心から感謝の気持ちを込めて、
忍が自分と同じく笑顔で居られるようにと、この笑顔を忘れないでという想いを込めて、死地へ向かった。

後のことは恭也に託せばいいから。
最後に自分が出来ることは、やはり忍を守ることで、そのために今出来る精一杯の笑顔を向けることだから・・・。


愛しい忍だからこそ、別れは笑顔で・・・


これが、ノエルが忍へ届ける最後のメッセージ。
ノエルの心からの想い・・・。



後は、戦うだけ・・・。
たとえイレインに性能が劣っていても、ノエルに負ける理由はない。
何故なら、


「私の身体には、忍お嬢様の愛が詰まっているから・・・」

ノエルはただ、忍の愛で出来た自分を信じる。


しかしそれを見下したイレイン。
自分と同じ機械。だけど哀れなオートマータだった。
だからこそ、


教えたい・・・。
決して自分は人形などではないということ。
自分が如何に忍に愛されて育ってきたか、
愛を知った機械がどれだけ強くなれるのかを・・・。

伝えたい・・・。
考える力があっても、人を愛する意味を知れなければ決して幸せになれないということ、
忍と出会えば幸せになれること。
そして忍と出会えたからこそ自分は幸せだったのだと・・・。


だから目の前の哀れなオートマータにその意味を、
忍の愛が詰まったこの身体で、

「ファイエル!!」




その攻撃は、ノエルの想いそのもの。
想いそのままにイレインを退け、忍を守り通すことができた。

だからもう思い残すことはない。
後は、自らの機能が停止するのを待つだけ・・・。



そんなノエルの耳に、忍の泣き声が聞こえる・・・。
誰かの為に泣くことを忘れた、自分の愛すべき主人は、いつの間にかその涙を取り戻していた。
それを聞いたノエルは自分の使命が終了したことを知り、安堵するのだが・・・。


その涙の意味に、ノエルは気付いただろうか?

忍がただ、ノエルの為だけに泣いてくれていることを。
主人だからじゃなく、メイドだからじゃなく、
ただ共に過ごし、共に支えあって来た二人だから、
忍がただ、ノエルを心から愛しているからこそ流した涙だということに・・・。
悲しいのは愛するノエルとの永遠の別れで、それは忍がまだノエルを必要としている証明だということに。

そこでノエルは考える。
忍がノエルと二度と会えないこと。
それは同時に、ノエルにとっても忍との永遠の別れを指しており、
ノエルの命の灯火が消えた時、つまりノエルが自分の存在を認識出来なくなった時に訪れるもの。

自分の存在がなくなるという意味。
もう忍に会えないという意味・・・。
あの愛すべき忍の笑顔も優しさも、二度と感じることが出来ないという事実。

つまり、
忍に愛される時を失う。
忍を愛する時を失う・・・。

ノエルはその意味に気付いてしまった。
気付いた時ただ、悲しかった・・・。


だからこそ自分の意思とは無関係に、


その頬には熱い雫が流れ落ちる・・・


それは、悲しみの涙。
忍がノエルの為に流す涙と同じもの。

人でない自分が泣いている事実に戸惑い、しかし気付いたこの感情。
人間として必要な最後の感情。
それを最期に手に入れた。

涙と共に、
同時に自らの時を停止して・・・。





数年後・・・。
ノエルの願いとは裏腹に、忍は笑わない。
傍に恭也がいるのが救いだけど、
それでも本当の笑顔は取り戻していない。

やっぱりノエルが居ないとダメだから・・・。
ノエルが居なければ本当の幸せなどあり得ないから・・・。

だから忍が出来ることは、ノエルの目覚めを待つことだけ。
あの日奇跡的に生還出来たノエルを、しかし数年間眠り続けるノエルを、
忍はずっと待っている。
本当の幸せを手に入れる為に・・・。


だから次は、ノエルに応えて欲しい。
最後の役目を果たすため。
笑顔を取り戻し、涙を思い出し、人の感情を取り戻した忍。
しかし今でも寂しそうに佇む忍に、心からの幸せを与える為に・・・。





そんな想いの中、ある日のこと・・・。
屋敷で遊ぶ、子供達。
それを見守る恭也と、そして忍・・・。

二人の間に生まれた娘・雫のハンカチが、風に乗せられ大空へ舞い上がる。

雫の手は届かない。
恭也の手も届かない。
それは、人の手では届き得ないもの。
もし届くとすれば、それは・・・。


その時不意につぶやく声がした。
聞き覚えのある、決して忘れることのない声・・・。

まるで失った時を、失った幸せをその手に掴むかのように・・・、
上空を舞うハンカチを、懐かしいその手でしっかりと捕まえ、そして彼女は微笑んだ。





ノエル・エーアリヒカイト・・・。
忍のメイドで自動人形。
しかし、

忍が心から愛する者。
忍を心から愛する者・・・。



変わらず愛しい忍がそこにいるから、
別れが笑顔であったから、


やはり再会も笑顔と共に・・・


二人に言葉は要らない。
忍もただ、一言。

「おかえり、ノエル・・・」

しかし称える笑顔は何よりも眩しかった。
なぜなら・・・、

忍の欠けた心。
忍の失われた翼。
それは他でもない、ノエル自身だったのだから・・・。


こうして今、月村家は本当の幸せへの道を歩み始める・・・。






そんな月村家の歩み・・・。
最初に恭也が死に、次に娘達が死に、寿命が長いからとは言え、いつか忍も天に召されるだろう。
きっと最後に残されるのは、ノエル自身だろう。
それが
機械の宿命だから・・・。

いつかは訪れる別れ。
いつかは訪れる悲しみ。

しかし、きっとノエルが悔やむことは無い。


今暖かい家族に囲まれ、自分を必要としてくれる人が居て、幸せな時を過ごしている。
別れの時まで、精一杯幸せを追い求めている。

忍が笑顔で居てくれる限り、それは幸せ。
そして愛していた記憶がある限り、笑顔を忘れることは無い。

だから今はただ、愛する忍の傍で、忍が愛する家族の傍で、
失わないように、いつか失うとしても・・・、



自分が信じる幸せに身を投じる


忍を愛し、
忍が愛する誰かを愛し、
その誰かが愛するまた別の誰かを愛す。
それを繰り返しながら・・・。



忍と二人きりだった、あの誓いの日から変わることなく・・・。




ノエルが生きている限りは、絶やすことなく・・・。