白河ことり
<D.C. 〜ダ.カーポ〜(サーカス)>


学園のアイドルは誰よりも臆病で・・・


(C)サーカス
純一の同級生。
その美しい容姿から、風見学園のアイドルとして全生徒に認知されている。
そんな彼女は誰にでも優しく明るく接するが、肝心なところで踏み込まない様子。
それは読心術という魔法を使えるが故の、ことりの心の壁であった・・・。

それでも彼女は純一には心を開き、そして強く愛した。
だが突然読心術が使えなくなってしまってから、再び心を閉ざしてしまう・・・。

そんな彼女を何とか立ち直らせようと奮闘する純一、そして彼女の姉である暦。
彼らの説得によって、ことりはようやく裸の心で人と付き合う方法に目覚めた・・・。

その過程を経て、ようやくことりも普通の人間として未来に歩むのだった。
純一と、そして今までずっと愛してくれた姉の、愛情を感じながら・・・。

<私的データ>
美人 可愛い 明るい 大人 楽観的 ライト 好き 鮮烈 絶大 絶対













美人度 可愛さ 性格 言動 思考 好感度 存在感 萌え度 信奉率







不美人 全然 暗い 子供 悲観的 ダーク 嫌い 希薄 皆無 皆無
 

 

 


独自調査と思い込みによる詳細

 概要 説明
容姿 輝くほど華麗、しかしおしとやかに綺麗 隙の無い美しさ、スタイルも抜群。学園のアイドルを名乗る彼女は常人では及ばない、まさに遺伝的美人。
性格 物腰柔らかに、でも明るく快活な面も見せる いわゆる万人受けすることりの性格。内面さえも完全無欠とは、もはや嫉妬するのもバカらしい領域であろう。
言動 桜の木の下で独り歌う日々 無心になれるから歌うという彼女。別に歌が好きではないと宣う彼女。その裏に隠された背景には、人への恐怖という、ことりの特殊能力が産み出した弊害だった。
趣味 商店街を徘徊。桜の木の下で弛緩 前者はまあ表向きの趣味だろう。だが、後者の行動こそが彼女の本心の現われだと思われる。他人受けの良いことりは、その実孤独を好む女の子だから・・・。
特技 歌、読心術 決して歌が好きではないと宣言しつつ、歌い続けてはや十数年。嫌いなことなどあり得ないのに、本人だけが認めない・・・。
そして同じくらい期間、読心術を使い続けた。その結果打たれ弱い精神力を植え付けてしまったという事実に、ただ独りで恐怖していた・・・。
 

 

 


ことり、その表と裏



(壱)アウトローは好きですか?

彼女のイメージ、それは純白。
優しくて・・・。
清純で・・・。
全校男子生徒が白河ことりに対して抱く感情だろう。
学園のアイドル・白河ことりは、皆にとって天使であった・・・。


しかし実際、それは幻想。
天使であるはずの白河ことりは、ことあるごとに我々を翻弄してくれる・・・。



黒のサングラスを試着する、いけないことり。

「ちょっと、ワルかな・・・♪」

そう言って彼女は、純一を惑わしていた。



あるいはミスコンにて、全校生徒が見守る中での大胆発言。

「学園の女王は朝倉君LOVEです・・・♪」

敵意の集中砲火そっちのけで、被害者・純一をステージへ強制連行していた。


そんな、唯我独尊お嬢様・・・。




そして、いざお嬢様の清楚な制服を脱がしてみれば、

「やっぱり女は黒だと思うの・・・」

黒の下着に身を包み、女の色香で純一を誘い込んでいた。


そんな、用意周到中学生。

黒い女の子は、好きですか・・・?



「白じゃないことりなんて、ことりじゃないっ・・・!」
そんな内なる声が届くこともなく、
「彼女に限ってまさか・・・」
そんな定説もまるで通用することなく、

ただ相手を自分のペースに引きずり込む、大胆素敵な中学生。
それがことりの理想と現実であった。


黒がお好きな白河ことり。
そんな彼女はアウトロー。
可愛い娘には必ず何かの棘がある・・・。


それを証明するように・・・。

白河ことりの本性は表面だけに止まらず、
「下着の色は心の色」とでも言わんばかりに、

その心さえも黒の属性で埋め尽くされていた・・・。



その原因となったものこそ、彼女が有した「読心術」という力である。







(弐)代償多き読心術

人の心が読めるという能力・・・。

それは便利な反面、大きすぎる代償を必要とするもの。
使う者の精神を例外なく蝕み、その人格すら捻じ曲げてしまう、諸刃の剣と言えよう・・・。

それはことりとて例外ではなく、読心術を行使する権利を与えられた彼女、人とぶつかることを手放した。
それはもはや、自らの意志を放棄したに等しい・・・。


そんな彼女の心は、偽善と偽装に満ちた上辺だけのもの。
確かに人当たりはこれ以上無い程良好で、誰に対しても優しさを振りまいているけど・・・。

それは、人の心が読めるから・・・。

読めるから、相手の望むように振る舞うだけでいい。
逆に読めるのだから、相手が望まないことを全て避けることが出来る。
それでことりの思惑通りに事が全て進むのだから・・・。

そして相手の心が解るからこそ、自分に悪意を持つ人間、接したくない人間そのものを避けることが出来る。
逆に自分に好感を抱いてくれる人だけを相手にしていれば、自分は幸せ。そして他人も幸せだろう。
そこには理想的な人間関係が構築されるはずだから・・・。

心を読む能力を有したことりにとって、それは造作も無いこと。
そして心が読めることりの周囲は、いつも堅固な絆を紡ぎ、誰よりも幸せな空間と化した・・・。


だけど、それこそが諸刃の剣。
特異な能力に頼り切るということは、考えるのを止めるに等しい所業。
事前に困難を察知するということは、困難を克服できない脆弱な精神力を露出させること。
つまり、その能力が無ければ自分自身を保てないという、心の弱さに繋がるのだ。

幼い頃魔法使いに貰ったプレゼントは、いつか手放さなければならないのに。
魔法はいつか消えてしまうから魔法なのに・・・。
それを無意識で知りつつも、ことりは敢えて魔法、即ち読心術に頼り続けた。
だから魔法が二度と使えないと知った瞬間、ことりは誰よりも弱くなった・・・。

花を全て散らした、あの桜の木のように・・・。




(参)解り合えないのが当たり前だけど・・・

散ってしまった桜の花。
もう、誰にも戻せない・・・。
失ってしまった読心術という魔法。
もう、二度と戻らない・・・。

そして、読心術によって感情を完全コントロールしていたことりは、それが無くなった瞬間ただ一つの感情すらコントロール出来なくなっていた。
好きな人を頼るという、ただそれだけのことでさえ・・・。


何も分からない・・・。
誰も分からない・・・。


そして、そうなったからには全てを偽装し直すしかなかった。
孤児となり白河家に引き取られた時・・・、
他人の心が分からずただ恐怖した、あの幼い時と同じように。
それを誤魔化すため全ての感情を捨て去り、能面の笑顔で自分を守っていた、苦い思い出を再現させて・・・。

自分を愛してくれているはずの姉や純一。
そんな大好きな人すら巻き込んで・・・。


だからことりは黒い女。
そして馬鹿な女なのである。
結局自分のことだけしか考えていなかったから。
子供の頃から、何も成長していなかったから・・・。

他人の心を分かろうとするなら、まず自分の心を打ち明けねばならない。
他人を知りたいのなら、まず自分を知ってもらうよう努力しなければならない。
ことりはその順序を誤っていた・・・。
だから結局何も分からず、何も掴めず、ただ泣くだけの自分勝手な子供のままで成長してしまう。


魔法を手に入れたあの時からずっと・・・。


子供のような我侭を修正すべき時、読心術という絶対的な支えを手に入れたことり。
それは弱いことりを救うために与えてくれた能力かもしれないし、彼女にとってそれは便利な能力だったかも知れない・・・。

だけど、本当はそれに頼ってはならなかったのだ。
自分の力だけで他人と接し、傷付きながら、涙を流しながら心を成長させなければならなかったはずなのだ。
だけどことりは子供の頃から弱い人間だったから、結果便利な読心術で全てを解決し、現在の依存型思考法を構築させる。
頼ってしまったから、本当に大切なものに気付かず置き去りにして、期限付きの魔法を永遠のものと信じて偽りの自分を演じ続ける。
それは結局のところ、生来から有することりの弱い意志が招いたものに違いなかった・・・。


元々はその生来の弱さを克服する為に、魔法使いのおばあさんは読心術という能力をことりに与えてくれたのだろう。
でもそれは、本当は一時のものでなければならなかったはず。
どうしようもないことりを後押しする為の、あくまできっかけに過ぎなければ為らなかったはずだ。

その先は自分の意志のみを拠り所に成長すべきだと、そんな想いを込めて与えられた魔法。そして少しだけの猶予期間。
だが彼女はそれが永久にあるものだと思い込み、手放さず、今の今まで頼り切ってしまう。
無くなれば辛いと分かっているのに、その辛さを克服するチャンスはいくらでもあったのに・・・。

ことりの為にと魔法を与えた、魔法使いのおばあさんの優しさ。
その優しさの真意に気付くことも無く・・・。
無くなった今、既に取り返しのつかない悲惨を招いて・・・。



ことりは今、無力な子供のように泣いている・・・。




でも、その痛みこそが当たり前なのだ。
そして、その痛みを発するのが普通なのだ。

ことりは不安だから泣きじゃくり、
純一はそんな彼女を心配するからうろたえて・・・。



それは、心が読めなくても伝わる感情。
言葉が無くても届く心・・・。

時には身振りで、時には手振りで。
そして、時には涙で・・・。


それこそが、人に与えられた普通なのだから。
それだけが、人に許された能力なのだから・・・。


その偶像を守るために無敵の能力を行使したからこそ、ことりは人に為れなかった。
ただ、それだけである・・・。



ことりの本心は純一に分からなくて、
純一の本心もまた、ことりには分からなくて・・・。

最も近しい存在であっても、互いに想う二人であってもやはり、


人の心は誰にも分からなくて・・・。


真実はただ、自分の心の中だけを独りで歩き続ける・・・。


それが、当たり前のこと。
それが、人というもの・・・。





それでも・・・。
乏しくて頼り無い関わり合いが全ての世界でも・・・。

心を通わせる時。
体を重ね合う時。

そんな時がきっと少しはあるだろう・・・。



独りだからこそ、独りにはなれないから、求める。
求めるからこそ言葉にしたい、行動に表したい。

そうやって人は生きていくのだ・・・。


その人に信じてもらえるように、
その人を信じれるように何度でも訴えるのだ・・・。

分かるまで、通じるまで、届くまで・・・。



そんな言葉はきっと通じる。
通じたと信じれる人が、きっと居るから・・・。



結局は独り善がりに信じることしかできないけど、
それはただの盲信に過ぎないかもしれないけど・・・、




今まで培った思い出をまだ信じれるなら、



交わしたくちづけに想いが溢れていたのなら・・・、



きっとそれは彼の本心・・・。


ことりもきっと受け取れた。
純一の変わらぬ愛情を、普通の人としての第一歩を、そのくちづけと共に・・・。






(四)せめて人として・・・

だからこそ・・・。
受け取ったのなら、やはり言葉を返したい。行動で示したい。
決して人の心を掴めない人間が出来ることは結局それだけだと、ようやく彼女は理解したのだから・・・。


好きな人を安心させる為、笑顔を彼に返したい・・・。





無限の言葉と無限の表情。
それら全てが自分の心を表す印であるから、ただ精一杯に・・・。


もし言葉が届かなくても、
嬉しい時には喜び、腹が立つなら怒り、悲しい時には涙を流す。
それだけは、好きな人に届くはずだから・・・。






きっと解るはずだから・・・。


信頼を示す時、
親愛を表す時、
そして幸せを伝える時に、人は・・・、



必ず笑顔を称えるということを




だから後はその笑顔が曇らぬよう、共に歩くだけ。
言葉を投げかけ、笑顔を投げかけて・・・。


裸の心を投げかけて・・・。




与え続けることを止めない限り、糸は切れない。
受け続けてくれる限り、そこには確かな絆があった。


その拙い一本の糸を大切に守るように、繋ぎ止めるように、
言葉を使って、体を使って、そして命を使って・・・。


たとえ終わりが訪れ白紙に戻ろうとも、
ダカーポのような運命が待っているとしても・・・。






それが遥か遠い未来でありますように・・・





最期まで心のキャッチボールが途切れませんように・・・










訪れる終局が、二人の望むものでありますように・・・