「瑠璃子。僕を助けておくれ・・・」
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瑠璃子の兄。
祐介の通う学校にて生徒会長を務める。
品行方正の優等生であるため教師からも生徒からも信頼を寄せられていたが、毒電波に目覚めた時から彼は変わった。
毒電波で女生徒を操り思いのままに弄び、いずれは国まで支配しようとする。
もはや欲望を抑えきれない拓也だったが、瑠璃子と祐介によってその狂気を止められ、後に残るのは・・・。
| 概要 | 説明 | |
| 容姿 | 糸目。長身。 | そうは見えないが、瑠璃子さんの兄だから恐らく格好良いはず。 |
| 性格 | 表向き品行方正。裏の顔は性犯罪者 | とりあえず女性を犯して男は屈服させる。優越感に浸るのが好きだと思われる。 |
| 言動 | 非の打ち所が無い優等生ぶりを発揮するが、陰で女生徒を凌辱し続ける | 生徒会長の地位で他人を安心させて、心置きなく夜の活動に励む。名実共に夜の帝王だから口出しも出来ないし手も出せない。 |
| 趣味 | 毒電波で女生徒を操り奴隷にする | 仕組みが誰にも分からないのだから、それはまさに完全犯罪。暴走し出したらもはや際限が無かろうから人の心は弱いものである |
| 特技 | 毒電波 | 祐介が来るまでは無敵だったが、所詮は脇役。正義の使徒祐介の足元にも及ばない半端者であった。野望果てた後には悪夢が待つのみ。ただただ悲しい存在であった・・・ |
私的分析
祐介に負けず劣らずの妄想野郎。それが生徒会長・月島拓也。
ただ、彼の場合、それだけに止まらない。
妄想は既に実践中であり、多くの女生徒の肉体がその毒牙によって汚されていった。
妄想の世界だけで踏ん張る祐介と狂気に走ってしまった拓也の、これが決定的な違いであり、故に用意されている結末も悲しいものになるに違いない。
それをどこかで分かっているくせに拓也の暴挙は止まらない。
毒電波という拠り所を以ってして誇大妄想にふける日々。
「みんな操ってやる。
学校も国も、世界さえ僕のものなんだ」
高校生のくせに、あまりに常軌を逸した悪党ぶり。すげえ・・・。
これも全ては毒電波という特異能力を身に付けてしまったが為。基本スペックは多少並よりは優れているとはいえ、基本的に凡人の領域を逸脱しない普通人拓也。彼のごとき弱き精神力では毒電波という能力はあまりに重荷過ぎたのである。中学生にマシンガンを与えるようなものだろう。
自分を脅かす存在が無いという事実から来る優越感と、自分自身の欲望に抗うことの出来ない精神力だから、後は際限なく堕ちていくのみ・・・。
誰かが止めなければならない。でも普通では止められない。
だからこそ、その役割を果たす存在が現れた時、拓也は動揺した。
彼の妹である瑠璃子と、彼女が選んだ毒電波使い・長瀬祐介の存在に・・・。
まあ、瑠璃子に隠れて悪行を重ねているくらいだから、とりあえず妹に頭が上がらないシスコン野郎と決定。故に彼女が登場するだけで心理的ダメージは大きい。
とりあえず・・・
「ち、違うんだ瑠璃子・・・」
何が違うんだ?
訳が分からないがとりあえず支離滅裂になる拓也。やましいことがあるという証明だろう。
いつも冷静な拓也も瑠璃子の前では普通のしどろもどろ君。まあ瑠璃子に嫌われたらもう生きていけないに違いない。それほど大切な存在だから・・・。
瑠璃子には手を出せない。でもこの毒電波の優越感もなくしたくないという葛藤が彼を更に狂わせる。
とりあえずとばっちりは祐介へと向かった。何しろ祐介は瑠璃子の気を引く憎い奴だから。
嫉妬心から来る憎悪を込めて、シスコン拓也が叫ぶ。
「瑠璃子とヤッったんだなテメェ殺す!!」
自分のことを棚に上げてよく言う・・・。
貴様がしてきたことを忘れたとは言わせないぜ。
毒電波が使える体質をいいことに、加奈子さんを、さおりんを、みずぴーを、その他大勢の人たちをあんな目に合わせてやがって。シャレじゃすまないのだよ。
そして何より瑠璃子さんを辱めた。その結果彼女は心を閉ざしてしまったのだ。
そう、
「ぐへへへ・・・瑠璃子ぉ〜・・・・」
↑
邪な心満載の衝動によって・・・。
憐れな奴だ。愛する者を守る術を知っておきながら、それに気付かず、今まさに祐介という自分より優れた戦士に滅ぼされようとしている。
瑠璃子にそっぽをむかれ、あまつさえ祐介に瑠璃子を取られそうな勢い。もはや残された道は一つ、破壊するしかない。
拓也は自分の存在意義を賭けて祐介という存在を亡き者にしようとする。それが自分の為すべきことを見出せない拓也ができる最後の抵抗だった。
しかし悲しいかな・・・。
毒電波のサラブレッド祐介の前には拓也など併せ馬同然。彼の野望は絶たれた・・・。
「もうダメだ〜っ!!!」
そう、ダメだ。
ここまで来たらもはや救えない。救ってはいけない。
今までの罪を一気に吐き出し罰を受けるのが妥当。悪党の最後などこんなものである。
しかし、なぜか悪党にも救いの道があった。
祐介に木っ端微塵にされるはずの精神は、暗い闇から光を取り戻すしてしまう・・・。
「ぼ、僕はいったい何を・・・・」
・・・・・・・・・
なんてしらじらしいんだ。
お前、今までやってきたことを忘れたとは言わせないぜ。
それに祐介も祐介だろう。そんなんでいいのかよ?絶対に解せない。
しかし心の広い祐介はしたり顔で余計なことをのたまった。
「彼もまた被害者だ」、と。
とても納得できるものではなかろう。拓也が犯してきた過ちは許せる範囲を激しく超越しているのだから。
本来ならば拓也はあの世行き。
それでも彼の胸に身を寄せる彼女を見たとき・・・。
瑠璃子さんの思いを知ったとき・・・・。
「お帰りなさい、お兄ちゃん・・・・」
↑
これを見て、果たして拓也を憎みきれるだろうか?
祐介に助けられてもらったくせに、いけしゃあしゃあとおいしい所だけ持っていく拓也だけど・・・。
それでも彼は戻ってきたのだ。
誰のためでもない、他ならぬ瑠璃子さんのために・・・。
両親など存在しない拓也にとって、愛など知らない拓也にとって、
唯一守るべき存在、唯一愛すべき存在。
ただ、瑠璃子さんと一緒に幸せになりたかっただけ。
途中道を誤ったとしても、それが拓也にとっての揺るがぬ誓いだったに違いないのだ・。
だから祐介も瑠璃子さんも、そして私も、過ちを犯した月島拓也という少年に愛惜の情を送る・・・。
瑠璃子さんによって狂気の扉を開いてしまった拓也。
その幕もまた瑠璃子さんによって閉じられる。
祐介という、二人にとって救世主に当たる少年の力を借りて・・・。
・・・・・・・・
もう何も言うまい
ここまで来たら勝手にやってくれってなもんだ
せめてこれからは兄妹仲良く密やかに暮らせ
お互いが寄り添って生きた、あの幼き日々のように・・・