愚考≠考察




インターバル・その1

「ステッペンウルフの食卓 〜俺の名前を言ってみろ!〜」


発起人
相馬 透<ステッペン・ウルフ>
二階堂あきら<ステッペン・ウルフ>
(※画像引用:戯画サーカスJANIS/ivory












「やはり春は花見に限る。そうは思わないか、あきら・・?」





「まさに透の仰るとおりでしょう・・・!
日々の喧騒を忘れて、ただ飯をかっ喰らう!そして意味も無く酒をあおり、気分に浸る!そんな痴態は平和じゃなきゃ出来ない芸当なんだからなっ!!
ニッポンバンザイッ!!」





「フフフ、さっそく泥酔しやがって。どうしようも無いな、あきらは・・・。」





「何言ってやがる!酒は静かに飲むものじゃない!豪快に飲むものだ!そうだろ、おい?
お前のように弾けない人間は、あらゆる場面で損をするに決まってるんだ・・・!」





「うーむ、こりゃ手がつけられないぜ・・・。
まあいいさ。俺はこの酒と、風流な桜の木々があればそれで満足なんだから・・・。
あきらのように猪突猛進じゃないヤツも居るってことさ」





「何ぃ!?『木之本桜』に欲情するだとっ!?
お前は一体、どこまでロリコンなんだっ・・・!」





「ば、バカヤロウッ!豪快な勘違いをするな、この酔っ払いめ!!俺は確かにバチェラ好きだが、木之本さくらなんてどうでもいいんだよ!!」





「おいおい、今さら誤魔化さなくてもいいだろ透よ・・・?
お前はロリコン。真性のロリコンじゃないか。『さくら』と言えば『木之本さくら』だって、耳にタコが出来るほどに宣言してたじゃないか。
今さら『アレは無しでした』なんて、そんな子供じみた心変わりは通用しないぜ?」





「記憶を捏造するんじゃないよ、まったく・・・!
いいかぁ?俺にとって『さくら』とはなぁ・・・。
『綺堂さくら』なんだよっ!! 分かったか!?」





「あん?綺堂さくら・・・?
誰だ、そりゃ・・・・?」





「なっ!?
お前、いくら酒に酔ってるからって、そこまで堕ちたか!?
『とらいあんぐるハート』の裏ヒロイン、『綺堂さくら』を忘れたと、お前は臆面も無く言うのか?
見損なったぜ、あきら・・・」








「全世界に通用する美形ヒロイン、『綺堂さくら』。自然と戯れる姿が、いかにも桜のイメージにぴったりの女の子じゃないか・・・。
しかも、髪だってさくら色だ。
彼女以上の『さくら』が、一体何処にいる?」


(c)JANIS/ivory







「おーおー、思い出したぜ。
そう言えば、居たなぁ・・・。」





「・・・お前、ホントに酔ってんのかよ?俺を馬鹿にしたいだけなんじゃないのか、もしかして・・・!」





「まあ、そんなことはどうでもいい。
それより重要なのはな、透・・・。
お前は今、かなりのレベルで独り善がる、みっともない男だってことさ・・・。」





「何っ!だったら彼女以上の『さくら』がこの世に居るとでも言うのかっ!?
居るのなら是非聞かせてもらおうじゃないか?」





「分かったよ、まったくもう。お前には言わなきゃ分からないみたいだからな・・・。」





「くっ・・・・・・・・!」





「まず、『さくら』という名前。これは日本ではかなりメジャーな名前だな?故に、必然的にエロゲでの使用頻度も高くなるってもんだ。
『さくら』という響きだけで、どこか飛びぬけた容姿を連想させ、しかも日本的なイメージを崩さない。そんなメリットばかりがこの名前には込められているんだから・・・。」





「そんなの言われなくても分かってる。だからそれを代表するヒロインとして、俺は『綺堂さくら』を選んでるんじゃないか。他には何一つ思い浮かばない・・・。」





「そりゃ、お前が『とらいあんぐるハート』にうつつを抜かしてばかりで周りを見てないからだろ・・・。
そんなとらハの歴史に関係なく、『さくら』という名称は天文学的に流用されて行った。その事実にせいぜい恐れ入るがいい・・・。」







身近な例を挙げれば、『D.C.』の『芳乃さくら』だな。
彼女は金髪ツインテール、リボン、妹属性、ちみっこ等、明らかに萌えだけを追求したカスタマイズを受けている。
それに騙されたプレイヤーが一体何人居たことか、思い出しただけで身震いするぜ」








「・・・・・・おい。もしかして『芳乃さくら』がさくら筆頭なんて、そんな眠たいこと言うんじゃ無いだろうな・・・?
コイツは確かに前評判は良かったが、表ヒロイン『朝倉音夢』の前に撃沈。しかも脇役『天枷美晴』にさえ出し抜かれるという、空前絶後の失敗作じゃないか。
ニュータイプ『シャリア・ブル』並の肩透かしを喰らったと言って、一部のユーザーが暴動を起こした程に意気消沈なヒロインじゃないか・・・」





そんなことは言われなくても分かってる。
だがな、たとえ『D.C.』の中でパッとしなかったとしても、『綺堂さくら』と比べたらどうなんだよ?『D.C.』と『とらハ』、一体どっちが販売本数を伸ばしたんだよ?
お前はただ、己の熱中度だけを指標にしてるんじゃないのか?お前、売り上げ本数とか気にしたことあるのか?」





「ぐ・・・そ、それは・・・」





「つまりはそういうことなんだよ、透。
たとえお前の中で『綺堂さくら』が絶対だとしても、他のユーザーから見れば、路傍の小石かも知れないんだ。
それより『芳乃さくら』に執着を見せる輩が、この世にはごまんと居るかもしれないんだよ。少なくとも売り上げ本数だけはトップレベルだったんだから、確率的に見れば必然的にそうなる・・・。」





お、俺の意見は、そんなにも少数なのかよ・・・?」





「そう・・・。
言うなればお前は、キング・オブ・サブカルチャー。
ロード・オブ・マイノリティーなんだ・・・

よって、『綺堂さくら』のトップ当選はあり得ない。残念ながら・・・。」





「そ、それでもやってみなければ分からないだろ。
『芳乃さくら』が何だ!『とらハ』に対する愛情は、今でもみんなの心に深く刻まれてるに決まってる!ポッと出のヒロインなんか敵じゃない!!」





「ふーん、まあお前がそこまで言うのなら統計を取ってみてもいいが・・・。
これだけは覚えておけよ、透・・・。
『さくら』は何もエロゲだけに限ったことじゃない。最初に言った『木之本桜』も居れば、コンシューマの伝説ギャルゲー『サクラ大戦』の『真宮寺さくら』だって、立派なさくらなんだ・・・。
いくらエロゲーマー限定だとは言え、よりマクロな視点で見れば、その刷り込み度において『綺堂さくら』など敵じゃない。俺は自信を持ってそう予想するね・・・。」





「そ、そんな昔の奴等、もうみんな忘れてるさ!きっと・・・!」





おいおい、動揺するなよ透。確かにお前のその言は、真理の側面を突いているんだからさ・・・。
まあ、あくまで側面だけだけどな・・・。
結局のところ、キャラクタに対するインパクトの残留度ってのは、過去と現在を全て包括した上で導き出された結果に違いない。
その一面が、お前のように過去の『木之本桜』を『綺堂さくら』で塗り替えたパターンだ。」





『木之本』は余計だろ・・・」





そしてその正反対の一面が、いくら新しいキャラが登場しようと未だ過去のキャラに囚われているパターンだ。
その例として、一つ顕著な例を挙げてみるならば・・・。
透、お前『あかね』って言ったら誰を連想する?





「聞くまでも無い。俺にとって『あかね』とは、今も昔も『里村茜』、ただ一人だ。それ以外の奴等など、眼中の遥か彼方だね・・・」





「まあお前はそうだろうが・・・。
しかし実際のところはどうかな?
最近エロゲを始めたプレイヤーはお前と違い、過去のヒロイン『里村茜』など眼中に無いんじゃないか?それにトドメを刺すように、口を揃えて『君が望む永遠』の妹ヒロイン『涼宮茜』を支持するんじゃないか・・・?」





くっ、『涼宮茜』か!確かに手強いかもしれないが・・・。
でもそれは、所詮『ONE』を知らない奴等の言うことだし・・・。」





そう。正にそこがポイントなのさ、透・・・。
大衆の意見とは、その意見を統計したまさにその時点での総意。過去にいくら真実があろうと、最初から知らなければ、その真実は無かったことになるんだ。
たとえそれを人づてに聞いたとしても、所詮自分で体験しなければ、本当のインパクトというのは脳裏に焼きつかないものなんだ。
つまり、このジェネレーションギャップの有り方こそが、決して統一を見せない民主主義の根底を支える真理の一つ。
『君が望む永遠』からエロゲに入ったと宣うユーザーが急増している現在の世情で、お前は尚『里村茜』があかね筆頭だと、そう言い切ることが出来るかな?」





分からない、そんなの分からないよ、あきら・・・。
だけど、それでも尚、俺は俺の信じる道を行ってやる!
『里村茜』バンザイ!『綺堂さくら』マンセー!
これが俺、相馬透の変わらぬスタイルなんだからっ!!」





「そうか、分かった・・・。
そこまで真摯にぶつかって来るのなら、俺も本気で迎撃してやろう!
お前のその想いが届くか、それとも儚く散るか・・・。
投票開始だっ・・・!」





「よし、投票だな!分かったっ!
さっそく俺の意見をぶちまけて来てやるぜっ!!」





「そういうわけだから、読者の皆さんも是非協力してくれ。
名前に関する傾向。ジェネレーションギャップの存在点。
それらを知りたいのは、何も俺達だけじゃないはずだからっ!!」










「さあ、思い立ったらここから投票だ!!」