報告2:「リサイクルの基本は騙し合いだよ♪」
(被害者:三井真也、篠崎あやめ)




三井真也、大学生。
壊れたディスプレイの処理を後回しに、彼女である篠崎あやめを部屋に招いていた・・・。




「・・・・・・と。そんなことがあったんだよ」

「そうなんだ。災難だったね三井君」

「全く、何でマスターの車でそんなことしなけりゃならないんだ。俺が車借りるのはそんなディスプレイなんかの為でもなく、ましてやつまらないドライブなんかでもなく、確固とした欲求の為にやってるっつーのに・・・」

「・・・・・・・欲求? ・・・三井君、欲求って、何?」

ギロリ・・・!

「げっ!しまった口が滑った!」

「三井君、ドライブが気分転換になるからって、いつも必死にお父さんに頼み込んでるよね?」

「もももも勿論ですとも!!」

「私にも違う景色を見せたいって、無理矢理連れ込んでたよね?」

「そそそそそうそうっ!!歩く視界と車からの視界は全然違うんだぜっ!いつも言ってるじゃないか!」

「でも、さっきドライブつまらないって言った・・・」

「そ、そんなこと言いましたっけ・・・!?俺、見かけと同じに頭も弱々だから良く覚えてなぁい・・・!」

「目が泳いでるんですけど・・・」

「きっと運転で疲れてるんだっ・・・!」

「ねえ・・・。三井君、まさかお父さんを利用してる・・・? 私、利用されてる・・・?」

「な、何に・・・?」

「その・・・。え・・・、えっちなことに・・・」

「・・・!!! ななな、無い無い!そんこと全然ないですよぉっ!!」

「だって、車でドライブに出かける時、いつも私に、え・・・、えっちなことしてるし・・・」

「(さすがはあやめちゃん、いつもながら鋭すぎっ!!)」

「ホントのところは、どうなの・・・?」

「ヤバィ、怪しまれてる・・・。あやめちゃんとえちぃ事したいから毎回誘ってるなんて悟られた日には、もう二度と興奮の車プレイが楽しめない・・・。誤魔化せ・・・誤魔化すんだ・・・虎になるんだ・・・!」





「ちょっと三井君!何独り言言ってるのよ?ちゃんと私の目を見て・・・・・えっ!?・・・」

三井はクルリと振り向いた。
眼光は鋭い・・・。

「あやめちゃん・・・。確かに俺は君を毎回車に乗せていた。そして俺自身の目的の為だけに行動していたのかもしれない・・・」

「ほらぁ、やっぱり・・・」

「だがっ!!これも法を尊重するが故っ!!」

「はぁっ!?どういうことっ・・・!!」

「車に乗ってて思っただろ?この世の中には交通法規を守らないドライバーが多すぎるっ!!」

「そ、それは言われてみれば、信号無視したり、すごいスピードで走ってる人達は多かったけど・・・」

「だから法を守りたい善良市民として、優良ドライバーとして・・・彼らに範を示す必要があるっ!!幸いマスターのワンボックスは良く目立つから、それを見て彼らが節度あるドライバーの良心を取り戻してくれたらと、俺はそう思っているんだっ・・・」

「そ、そうなの・・・? ま、まあ確かに目立つよねお父さんの車・・・『パパン』とか大っきいシールが張ってあるし・・・。だから柄の悪い人が沢山私達に絡んで来るのかも・・・」

「いや、それはあやめちゃんが可愛いからだよ・・・」

「えっ!?」

「男供は皆あやめちゃんを見ていた。魅力的な君に声を掛けたかっただけなんだ。」

「そ、そんなこと・・・無いと・・・思うけど・・・・・・。」

「いや、あやめちゃんは道を走る男達が振り向くほどに、可愛いよ・・・」

「あ・・・その・・・私・・・」

「このディスプレイにしたってそうだ!!」

「えっ!?ディスプレイっ!?」

「俺はこの21インチディスプレイがとても可愛いっ!!2年間も一緒に苦楽を共にしたヤツなんだぜっ!!」

「えっ?あの、車の件は・・・、可愛い私が・・・。 あれ・・・?あれ・・・・?」

「(よし混乱した!!)だけどこの前、ひよりんという女は、それを捨てて来いなんて平気で宣ったんだ。愛情を持つ機械に対してそんなこと出来ると思うかい・・・?」

「そ、それは・・・」

「確かにポイ捨てするのは楽だよ。だが、俺はあくまで善良でありたいんだ。法を守りたいんだ。俺にはそんなこと出来ない。今まで大切に使って来たからこそ最後まで慈しみたいんだよ。守ってあげたいんだよ。俺があやめちゃんを大切だと思う気持ちと同じように・・・。車に乗る君に声を掛けてきたあの男共から、君を何とか守りたいと思ったように・・・。」

「あ・・・・。わ、私・・・」

「そりゃ法なんて有って無いようなもんだし、みんな上手いことその網を掻い潜っている。でも俺には出来ないんだよ、あやめちゃん。ポイ捨てする方がよっぽど気楽なのに・・・。これってやっぱり俺が意気地無しだからなのかなぁ・・・?」

「三井君・・・」

「ああ・・・、虎になりたいなぁ・・・」

その時あやめは穏やかな表情を見せた。

「そんなうさぎみたいにしょんぼりしないで。それが三井君なんだから・・・。そんな真面目な三井君が、私は好きなんだから・・・」

それを聞いた三井は怪しい表情を見せた。

「あ、あやめちゃん・・・・」

「だから三井君らしく真っ当に、ちゃんとしたお店にお願いしに行こ? ね♪」

「あ、あやめちゃん、ありがとう・・・。こんな弱々な俺を慰めてくれるなんて、君は何て優しい子なんだぁ・・・。まだ傷は完全に癒えては居ないけど・・・」

「もう、しょうがないなぁ三井君は・・・」

「だから、出来うるならもっと慰めて欲しいっ!!」

ガバッ!

「ちょ、ちょっと、ドサクサに紛れて何を・・・!」

「悲しい俺!旅立つ最愛のディスプレイ!この傷心を癒せるのは最愛の君しかいないぃ〜♪」

「だ、だからってそんなっ!」

「設定は『壊れたディスプレイを引き取りに来た家電量販店のおねーさんが、失意にうな垂れる学生の為に身体を張る』。君は今から出張サポートのおねーさんだっ!」

「な、何それ〜っ!!」

「ああ、電気屋のおね〜さん○6才っ・・・!!ショートしたボクの電源も再起動させて〜っ♪」

「だまされた!私まただまされたよ〜! あぁん・・・♪」





・・・・・・・・・・・・15分後。


ハァ…
…ハァ……ハァ……
あやめちゃん………
………み、三井くん……

…ハァ……ハァ……
…ハァ……ハァ……
…ハァ…











ガラッ・・・!!







「!?」







「お楽しみのところ、お邪魔しま〜すっ♪」


「なっ!!」

「きゃあ、何っ!!」




「毎度ぉ、るんらら〜♪」





「ま、またお前かっ!!どこから忍び込んだっ!!」

「魔法少女はどんな場所でも潜入可能〜♪」

「不法侵入だろ〜がっ・・・!」

「ちょっと三井君どういうことなのこれはっ!? 何なのよこの破廉恥な格好した人はっ!!」

「またまたぁ〜っ♪ あやめちゃんだってさっきまで破廉恥だったクセにぃ〜っ♪」

「なっ!何を言って・・・・!?」

「汗まみれのベッドシーツは二人の愛の結晶。でも洗濯機にかければリサイクル〜、るんらら〜♪」

「訳分からんこと言うなっ!それとこんな時に入ってくるんじゃない!」

「魔法少女は呼ばれたらいつでも参上よぉ♪」

「呼んでない、呼んでないぞひよりんっ!!」

「何っ!じゃあ、これがまじかる☆ひよりんって人なの!?」

「はぁい、そうでぇす♪ お困りですね〜♪」

「困ってない!困ってない!!」

「まあまあ落ち着いて。例のディスプレイの件、いい方法が見つかったんだからぁ♪」

「!まだ引っ張ってるのかよっ!!アレは業者にお願いするってさっき決定したんだ!もうぶり返すな!」

「でも、それじゃお金が掛かるでしょ〜♪だからぁ、お金が掛からない方法を教えてあげようと思って来たの〜♪」

「信じられるかっ・・・!」

「待って三井君、一応聞いてみてもいいんじゃない?もしかしたら本当にまともな提案かもしれないでしょ?」

「う・・・。ま、まあ、あやめちゃんがそう言うなら俺は・・・。 いいか、聞くだけだぞひよりん!」

「はーい、私にお任せ〜♪」

「自信満々だね・・・。ちょっと期待しちゃうかな・・・?」

「(あやめちゃん・・・。君は解ってない。コイツのことをまるで解ってないんだ・・・)」

「それでは〜。捨てることも出来ない壊れたディスプレイ。法律を守りたい臆病な三井君。さらに彼はとても貧乏〜・・・」

「余計なお世話だ・・・」

「合法的に、お金を掛けずに解決するにはぁ・・・」

「・・・・・・・」

「他の人に売ればいいんだよぉ♪」

「・・・・・ハァ?何言ってんだ?そんなこと出来りゃ、とっくにしてるって」

「・・・・・そうよ。壊れてる機械なんて買ってくれる人居るわけ無いじゃない」

「も〜う、二人とも誤魔化しちゃってぇ♪三井君がいつも熱心にやってる『YAHOO!オークション』があるじゃない〜♪」

「な、何故それを・・・!」

「え・・・?何々?ヤフーオークションって何のことなの?」

「うーん・・・。三井君はあやめちゃんに教えて上げてないようだねぇ・・・。じゃあ良く聞いてねあやめちゃん。インターネットの世界にはぁ、自分が持ってる物や要らなくなった物を押し付けて、しかも金銭を獲得出来る闇取り引き市場があるのぉ。で、そこでは普通じゃとても売れない物。法律に引っかかるものとか、三井君を困らせてるゴミとかを売りつけたりも出来るんだよぉ・・・♪」

「そ、そんな便利なところがあったんだ・・・」

「何、真に受けてるんだよあやめちゃん! ひよりんっ!!それは間違ってるっ!間違ってないけどかなり間違ってるぞ!」

「え〜、大丈夫だよ〜。世の中には『女子中学生の生ソックス』と偽って自分の履いた靴下を売るおじさんとかぁ、『ポルシェ』と偽ってポルシェの形をしたおもちゃを送り着ける人とかぁ・・・、そんな人がいっぱい居るよぉ♪三井君も『ちょっと調子が悪いディスプレイ』と偽ってオークションに出せば1万円はカタいと思うな〜♪」

「ば、馬鹿野郎っ!! 俺の信用はどうなるっ!!俺は『非常に良い落札者』で通ってるんだぞ!まだまだこれからお世話にならなくちゃいけないんだっ!」

「も〜う、そんな子供みたいなこと言ってぇ♪三井君今まで『エリコ○6才シリーズ』を買うためにしか使ってないじゃない〜」

「バッ、バカッ・・・!!」

「エリコ○6才・・・・? それって確かあの・・・え、えっちなビデオ・・・」

「違うんだあやめちゃん!!」

「しかもぉ・・・。最近じゃ片瀬健二君っていう男の子から手渡しで調達してるんでしょ〜?だから別にもう消滅したっていいじゃない〜♪」

「お、お前! 何で師匠のことまで知ってんだよぉ!!」

「ちょっと三井君・・・」

「あ、あやめちゃん・・・!待ってくれ・・・!」

「はぁい♪どうかなぁ〜? いざとなったら配送業者のドライバーのせいにすればいいんだし、これで決まりだねぇ♪」

「決まってない!決まってない!! って、イタイイタイ痛いってっ・・・!あやめちゃん耳を引っ張らないで、お願いっ!!」

「但し書きには『ノークレームノーリターン』だよぉ♪じゃあ私はこれで失礼しま〜す♪」

「おい待て、ひよりんっ!!」

「三井君!早く『エリコ』を出しなさいっ!!それとお父さんの車の件、どうなったのっ・・・!?」

「あぁ〜、しかもぶり返しされちまった! ひよりんのバカヤロ〜・・・!!」

「それでは良い取引を〜♪あと、お困りのあやめちゃんはベッドの下を捜してね〜、るんらら〜♪」

「貴様っ・・・!!!」

「三井君っ・・・!!!!」





発見された『エリコ○6才・1巻〜25巻』。
三井の部屋に絶叫が木霊していた・・・。





「まじかる☆ひよりんも、ノークレームノーリターンだよぉ♪えへへ・・・」







「なら最初から来んなよ・・・。 ガクッ・・・・・・!」