手を繋いで

 実力をつけてきた将…。
 英士は将をずっと見ていた。
「…思ったより…上達が早いな…」
 クスッと笑う。
「え? 何?」
 将は思わず英士に尋ねる。
 今は偶然二人でいる…。
 水野は急に用事があると先に帰ってしまった。
 多紀も小岩も帰ってしまった…。
 藤代は渋沢と間宮と共に帰った。
 何やら補習があるらしくて…連れて行かれてしまったのだ。
 そして、天城もいない。
 将は一人で帰るところを、偶然、一人だった英士に呼び止められた。
 だから…二人で帰ることになったのだ。
「いや…。
 お前がここまで俺たちに食いついてくるとはな…。
 正直驚いたよ」
 その言葉は嫌味なんかじゃなく、本当に優しい声…。
「みんなに追いついて…一緒にもっと先を目指したいから」
 きっぱりと、そして真っ直ぐな瞳で言い切る。
「…そうだな…。
 お前といたら確かにやりやすいかもしれない…」
 英士は頷く。
「ありがと」
 ニコッと微笑む将。
 その笑顔が…英士の胸を高鳴らせる。
「…いや…」
 笑顔がまぶしくて、思わず顔を反らしてしまう。
「…? どうしたの?」
 将は心配そうに顔を覗き込む。
「…っ!」
 英士は思わず息を飲み込む。
「…いや…何でもない」
 抱き締めたい衝動に駆られるのを必死に押さえ、応える。
「…本当に…?」
 将は不安そうに見つめてくる…。
 それは…
「えっ!? 郭君!?」
 将は吃驚してしまう。
 いきなり英士が自分を抱き締めたのだから…。
「…好きだ…!」
 思わず出てしまう言葉。
「えっ?」
 その言葉は将にとって驚きの言葉だった…。
「…本当に…?」
 ジッと、真っ直ぐ見つめる瞳…。
「…あぁ…。
 ごめん…驚いただろ…」
 英詩は我に帰って将を離す。
「…どうして謝るの…?」
 真っ直ぐな瞳。
 そんな瞳を向けられて…英士は誤魔化すことなんてできない…。
「…好きだから…。
 でも、驚かせて悪い…。
 俺なんかに好かれても困るだけだろ…?」
 自嘲気味に笑う英士。
 しかし…
「そんなことない!!」
 将はギュッと抱き付く。
「!? 風祭!?」
 今度は英士が驚く番。
「…僕だって、郭君が好きだよ…」
 突然の告白。
「…う…そ…だろ…」
 信じられなくて声が震える。
「嘘なんかじゃないよ。
 大好きだよ!」
 真剣な瞳で、将は英士を見上げる。
 その瞳に吸い込まれるように…英士の頭が下がっていき、そして…唇が触れる。
「……」
 触れて…離れていく唇…。
「…夢みたいだ…」
 英士はぎゅっと抱き締める。
「うん…。
 本当に…。
 まさか両思いだなんて思わなかったよ…」
 嬉しそうに抱き付く将。
「…今度…また一緒に帰ろうか…」
 優しく微笑む英士に、将は大きく頷く。
「うん!!」
 そして、二人はどちらともなく手を取り合って歩いていく。
 とても…幸せそうな笑顔で…。

                        END

コメント:みつるさんから頂きました英士×将ですvv
両思いですよ奥さん!!(誰が奥さんですか・・・)しかもキスつきvv
なんて良い方でしょうみつるさんvvありがとうございましたvv
ねだって良かったですvvわーい☆